日本正座協会


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第5回 座布団マナー


執筆者:上村樹


正座をする際に、座布団が使われることが多いと思います。
これを使うことで、足の痛みなどの正座に伴う苦痛が緩和されるようになるからです。
もともとは正座は座布団なしで行われていたのですが、大正時代にこれが普及することによって正座が大々的に広まったなど、座布団の使用は正座をするにあたってとても重要なものだと言えましょう。
けれど、何気なく目にする座布団をいざ茶道などで使うとなったら、「普通に座っちゃっていいのかな」など素朴な疑問点が浮かび上がってくると思います。
私も、「座布団に座るのは、家の人に勧められてから」くらいにしか思っていなかったのですが、考えてみれば「これは面接のマナーだったか?」などとちょっと認識が曖昧だったように思えます。
今回は、そのマナーについてをご紹介したいと思います。
まず座布団には裏(下)と表(上)、そして前と後があります。
座布団の真ん中に糸でバツ印がしてあると思うのですが、これがついてる方が一般的には表側とされています。
さらに、カバー式のものであれば、ファスナーがついていない方を前、ついてる方を後ろとして扱います。
座布団を置く場合にはこんなことに気をつけるといいですね。

次に座り方です。
座布団のある部屋に通された場合、家の人が来るまで座布団には座らないようにし、座布団の下座(または左側)で座って待つのが礼儀です。
挨拶と言えば立ちあがってするものだという風に考えがちですが、こういう場面では立って挨拶はせずに座ってしましょう。
そして次に座布団に座るのですが、この際、立ち上がって座布団に足をかけるのではなく、「にじり」という座り方をするのが一般的です。
「にじり」の方法ですが、まず、下座に座ったままの姿勢で両手だけを座布団の上の方に置きます。

そしてじりじりと足を座布団の上に移動させて座ります。これを「にじり」といいます。

立ち上がるときも同様に、にじって移動してから立ち上がるようにし、決して座布団の上で立ち上がらないようにしましょう。
蛇足ですが、畳の上を移動する際には「へり」のところを踏まないようにするのも作法の一つです。
このように座布団一つとってみても色々な作法があるので、これらを参考にしてみてください。